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物性物理学 II・コメント

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物性物理学 II・H20 (後期 シラバス

○ 2月2日現在で、出席していてレポートが未提出が3名います。提出予定の場合は、溝口までメールを下さい。よろしく。

○ レポートは、1月中を〆切に、自分の研究に関連した論文の纏めと、研究の関連を議論してください。
 前回のレポートが意外と出来ていませんでした・・・
hc/2e (cgs) = 6.6×10-27×3.0×1010/(2×4.8×10-10) ~ 2.1×10-7 [erg s cm s-1/esu]
次元は、[e2/r] = [erg] = [G2 cm3] を用いて、
[erg s cm s-1/esu] = [G2cm3 cm/(G cm2)] = [G cm2]
と、磁束の次元になることが確認できます。SI 単位系の場合も数値は同じで、指数が 10-15 と cgs の場合よりも 10-8 倍になりますが、次元が [T m2] なので、T と cm2 からそれぞれ 10-4 ずつ出てきたことになります。

○ 遅くなりました。次回、最終回までのレポート内容です。
超伝導状態の量子磁束
Φ0 = hc/2e (cgs)、(h/2e(SI))
に数値を代入し、単位を明記して求めよ。この時に、代入する数値は単位付きで明記すること。

○ 前の記述を一部訂正しました。半導体のプリントをアップしました。十分バグが取り除かれていないかも知れません。気がついた点がありましたら連絡を下さい。

○ 11/26 のレポート。温度 T において、真性半導体の伝導帯に励起されている電子数 nc
nc = AV e-(Ec-EF)/kBT で表されることを、3次元の状態密度 gc(E) とフェルミ・ディラック分布関数 f(E) を使って示しなさい。ここで、
nc = Ec gc(E) f(E) dE,
AV = 2(2πm*kT)3/2/h3
gc(E) = (21/22h3) m*3/2 (E-Ec)1/2

また、具体的数値を代入して nc を見積もりなさい。(m*/m0 = 1/2, T=300 K, Ec-EF = 0.5 eV とする。)

○ 11/19 の内容のプリントをアップしました。

○ 強磁性のレポートの例解プリントをアップしました。Lorentz場 λ による計算時に、N の次元に注意して下さい。

○ 反強磁性のプリントをアップしました。λ2=0 の時は、TN=Θ となります。混乱の原因は、T > TN の磁化を考える際に、M1M2 の和を取り、全磁化率にしてからワイス温度を考えたためでした。反強磁性相互作用の本質は、あくまでM1M2 の間の相互作用なので、その段階で有効磁場の影響を考慮してワイス温度を考えるのが正しいです。

○ 11/12 提出のレポートです。

  • 強磁性転移の相互作用として電子スピン間の双極子相互作用を考える。Weissの分子場をλ = 4π/3 として、分子場模型による転移温度 Tc = B2λ/kB から強磁性転移温度を求めよ。
  • 鉄の強磁性転移温度、約千度Cを説明するために必要な交換相互作用エネルギー J を、S = 1/2 として求めよ。

○ 10/29 提出のレポートです(10/22は休講です)。

  • 希ガスの He の反磁性磁化率 χdia = -1.9×10-6 (emu/mol)、および Xe の χdia = -48×10-6 (emu/mol) から、それぞれの電子の軌道半径の平均値 <r21/2 を見積もれ。

○ 10/15提出のレポートです。

  •  角運動量 J を持つ磁気モーメントは、磁場中において右図のように、2J+1 重の多重項に分裂します。各準位のエネルギーは、EM = gμBH M で表されるので(g > 0)、各多重項の占有割合はボルツマン定数の exp(-EM /kBT) で表されます。従って、磁化の期待値は、M の期待値と分配関数 Z を用いて、

    で表されます。分配関数 Z は、全ての場合のボルツマン因子を足し合わせた量です。

  •  1原子の場合は、
    Z1 = ΣM exp(-EM/kBT)
    で与えられ、独立な原子が N 個ある場合には、i 番目の原子の Mi についても和を取り、N 個の原子の状態を表すボルツマン因子 exp(-ΣiEMi /kBT) を考える必要があります:
    ZN = ΣM1ΣM2•••ΣMN-1ΣMN exp(-BH ΣiMi /kBT)

  •  最終的に、分配関数が

    となることを示しなさい。

○ 明日10/8提出のレポートは、数値を代入する計算例です。

  • Bohr magneton: μB = e•h/2mec (cgs) に、e=4.8×10-10 (esu)、h=1.05×10-27 (erg•sec)、me=9.1×10-28 (g)、c=3.0×1010 (cm/s) を代入して、cgs単位でμBを求める。
  • 軌道磁気モーメントは、μ = μBl = γehl と2通りに表現できる。前者は角運動量演算子 l で測り、後者は磁気モーメントを角運動量(回転)hl で測る事に相当する。電子の磁気回転比と呼ばれるγe を求めよ。
  • 関連して、核磁子 μN を数値で求めよ。Mp = 1.67×10-24 (g) を用いよ。

○ 講義は板書を主体に進める予定です。参考書としては、

  1. Introduction to Solid State Physics:Charles Kittel:John Wiley & Sons, Inc.
  2. 訳本:固体物理学入門:チャールズ・キッテル著:岩波書店
  3. 物性論 -固体を中心とした-:黒沢達美:裳華房・基礎物理学選書9(易)
等がお勧めです。
<プリント>
  • cgs単位系のクーロン相互作用
  • スピン軌道相互作用
  • 反強磁性
  • 誘電応答 (11/19)
  • 半導体