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いくつまで連振り子が動くか?の問に答えるには、球同士の衝突の際に、どれだけ持っていた運動エネルギーを次の球に伝えられるか?に答えなくてはなりません。衝突の際に、音になったり、熱になったり、衝突の角度がずれて無駄な運動をしたり、と言ったことが実際には起こるため、100%の運動エネルギーは必ずしも次の球へは伝えられません。その度合いを現すのが「反撥係数、e 」になります。全ての球の質量は同じですので、前の球の持っていた速度が、次の球にどれだけ伝わるか、という1に対する割合になります。
しかし、反撥係数は、ネットで調べてもあまり具体的な数字は見つかりませんし、見つかってもその精度が問題になりそうです。 どの位弾むのでしょうか?始めの高さと比べて、半分くらい?それとも、もっと弾みますか?この弾む割合が分かれば、反撥係数が良い精度で見積もれそうです。
それでは、嵐の大野君の工作の成果を見てみましょう。なお、番組担当のスタッフ上野さんによりますと、念のために放映後に注意深く作って試してみた結果、100個でも、かなりの高さ(正確には伺っていないのですが9割程度)上がることを確かめられたそうです。
0.99x0.99x0.99x・・・x0.99 と、100回掛けるので、 0.99の100乗=0.37
になります。と言うことは、エネルギーは 速度 の2乗に質量を掛けて2で割ればよいので、0.37を2乗した程度の高さ、即ち、始めの高さの 0.134 倍位の高さにしか上がらないはずです。ですから、もっと1に近いはずです。
0.999だとすると、その100乗は、0.905なので、高さは球の運動エネルギーに比例しますので、その2乗の0.82位まで上がるはずです。
実験結果が、その中間くらいだとすると、0.99と0.999の間の何処かです。
他の方法でこの様な高い精度で反撥係数が調べられている可能性はそう多くはないでしょう。
逆に、この実験から、0.990-0.999の間だと決められたことになります。
すごい精度だと思います。
0.990で0.134 0.993で0.25 0.994で0.30 0.995で0.37 0.996で0.45 0.997で0.55 0.998で0.67 0.999で0.82 位の高さです。 例えば、 0.998だとすると、高さが0.1になるには、約600個です。 0.999で約1200個 0.997だと400個 0.996で300個 0.995で240個 0.9995では100個で9割の高さで、2400個は行きそうです。
反撥係数の精度を1万分の5の精度で測定するのは、通常、かなりの工夫がいると思います。
この実験は結構精度の高い測定になっているように思います。
# 1/06/07