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現代物理学の考え方(後半) |
● 光の運動量と質量について。
これまでの研究から明らかなことは、高い実験精度の範囲内で質量は観測されていません。一方で、運動量の存在は多くの実験事実から明確に示されています。量子力学と相対性理論により、質量がゼロで運動量が $P=\large{\frac{h}{\lambda}}$ であることに理論的な矛盾は見出されていません。
● 運動エネルギーと運動量の関連について疑問が出されました。
運動量 $P=mv$ は運動している物体の持つ「運動の激しさ」を表し、その大きさは「外力 $F$」を加えない限り時間的に全く変化しないことにあります(運動量保存則:ニュートンの運動法則、$\large{\frac{dP}{dt}}\normalsize{=F}$ より)。
一方、「エネルギー」として、力学の範疇では「力学的エネルギー」を考えます。これには、運動している物体の持つ「運動エネルギー $T=\large{\frac{mv^2}{2}}$」に加えて、地球などの重力に関連する「重力場」が生み出す「位置エネルギー $U=mgh$」(地表面を位置エネルギーの基準(ゼロ)とした場合)も含まれます。両者の間でエネルギーのやり取りが可能ですが、摩擦などにより熱や音のエネルギーに変換されない限り、両者の合計が保存する(力学的エネルギー保存則)ことはニュートンの運動方程式で示されています(力の原因として位置エネルギーのみを考えている)。
確かに、運動エネルギー $T$ だけを考えると運動量 $P$ の時間変化率を移動距離で積分した量として関連していますが、物理学の中ではエネルギーを「運動」だけでなく「ポテンシャル(位置)」エネルギーとの合計を考え、それが運動の重要な「恒量」(運動を考える上で変化しない量)であるので、力学的エネルギーを構成する運動エネルギーは、運動のみに関連する運動量とは全く異なる意味を持ちます。