sciatica

Date: 2014年8月31日
Time: 14:44:05JST
Topic: 座骨神経痛物語

「座骨神経痛」という単語は多くの人が耳にした事があると思います。私もその一人です。

そして、それは年寄りが煩う症状で、私には無関係…、と。

ところがドッコイ、団塊世代後期の私も十分に年寄りになったらしい。

座骨神経痛で検索すると、整体等を含む医療関係の記事しか出てこない。後は、そう言った記事の患者の声がほとんどで、何処まで信じて良いのか?な面がある。

どの様な経過を辿って治るのか、治らないのか、どの様な対処法が有効なのか、患者の立場の情報が少ない、と感じたので、私の経験をここに記しておこうと考えた。

 

切っ掛け

2014年の8月3日夕方に、いつもの様にテニスラケットを自転車に乗せ、市の体育施設に壁打ちに出かけた。

昔のある冬に、ストレッチングもせずにテニスを始めて腿の肉離れを起こしたことがあり、それ以来、ストレッチングは欠かさずに行ってきた。

そのストレッチングの際に、右足を後に出しフェンスに体重を預けて脹脛を伸ばした、その途端!ビリビリ!っと腰から右腿、下肢へと電流が走った。これが私の座骨神経痛物語の始まりの合図であった。

いきなり電流が流れて歩けなくなった。しばらくベンチで休憩したら大分収まってきた。未だ、これが意味する事を理解していなかった私は、壁打ちを始めた。サーブをしたら右足がピリピリとしたが、その後は問題なく続けることが出来た。

帰宅後、食事を終え、寝るまで特に異常は感じなかったのだが、寝室に向かうその足に違和感を感じた。

それは、歩くよりも寝る方が遥かにキツかった。

 

座骨神経痛とは?

座骨神経痛の原因にはいくつかあるようで、原因によりキツくなる姿勢が異なるようだ。

ウエブの情報によると、腰椎管の狭窄か、或は、臀部の奥深くにある梨状筋の緊張の、どちらかによる座骨神経の圧迫が原因と考えられる症状に私の場合は一致しており、「片側にのみ」痛み、しびれが現れるのが特徴らしい。

体を伸ばして立つと、直ぐに右臀部が痛くなり始め、右下肢の外側が痺れてくる。

症状はそれだけ。しかし、その症状を避けるためには、立ったり歩いたりするには腰を屈め、両手を膝の上に乗せて上体で3角形を作る必要がある。そうしないと臀部痛と下肢のしびれが堪え難い。しかも、痛みが出るため、どの様な姿勢でも布団の上に寝られない。

座骨神経痛と呼ばれる症状には、痛みはそれほどでもないが、「両足」に痛みが出る場合があるようだ。

この場合は要注意で、進行性で、排尿、排便を司る神経系に障害が出るため、早期の外科的な対応が必要らしい。

 

医院にて

症状が出た翌日に、駅の近くにある病院を訪れた。

その際に、X線写真の撮影を辞退した。X線で見えるのは骨が主。それでは本当の痛みの原因は分からない。

若い時に、座る姿勢が悪かったために、腰骨が真直ぐにならない事は自覚していた。腰痛を感じたある時から、座る時には座骨を起こし、背筋を伸ばして座る様に心がけているので、それ以降、腰痛を感じた事は無い。座骨神経の存在を感じる様なピリピリ感は、起床時に感じたりする事はあるが、背筋を伸ばして行動していれば時期に収まる。

なので、X線写真を撮れば、曲がった腰骨の指摘を受ける事は予想していたが、その対処法は西洋医学による限り、鎮痛剤、牽引、神経ブロック、手術などの対症療法であることはある意味自明のようだ。

ただ、医者は、足のしびれに対しては、本当に脊椎が原因なのか、他の重要な別の原因では無いか?と言う点を丁寧に見てくれた。それは、足の甲にある動脈の弁に触り、

1)血流が十分に来ているか?

それから、足の指を目一杯起こさせて、それが

2)どの程度の力で起こせるか?

と言った点である。1)は、下肢へ行く動脈に血栓が出来ているために痺れていないか?を確認していると考えられる。

2)は、脳の異常によるしびれで、足の指に力が入らない場合には、脳のトラブルも考慮する必要がある。

私の場合は、どちらもパスしたので、腰が原因でしょう、との結論を頂いた。良心的な医者で、鎮痛薬は必要か?と訪ねるのみで終わった。

 

困った症状

腰を真直ぐに出来ない、その結果、仰向けで寝ることが出来ない!これは結構キツい。

横を向いて足を曲げた状態でも、数週間は臀部痛と足のしびれがやってきて、目が覚めてしまう。

要は、布団に寝転ぶと「どんな姿勢をしても」臀部痛と下肢のしびれがやってくる。

寝られない!

椅子に腰掛けて机に置いた枕に上体をうつぶせる。

もう一つ「多少」楽な姿勢を見つけた。

orz 姿勢だ!

衣類の収納ボックスに同サイズの枕を置き、腰の部分にもう一つ枕を横向きに置く。顔の部分には穴空き座布団。つい最近、お尻の方でお世話になった一品だ。

要は、収納ボックスに俯せになり、足はダランと降ろす。寝られない私には天国の様なベッドだ。

ただ、長時間はやはり疲れるので、時々椅子に腰掛けて、枕に俯せる。

これを交互にしてなんとか過ごした。

リクライニングとヘッドレスト付きの椅子も、これらの流れに組み込むのも良かった。

 

さてどうしよう?

ウエブに情報を求めた。

その結果は、

1)西洋医学は痛みの解消には役立たないようだ、仮に手術をしても痛みが消えるとは限らないようだ。

2)その中で、漢方薬の宣伝に目がいった。そのうたい文句は、脊柱管狭窄にしろ、梨状筋の緊張にしろ、血流が悪いので老廃物が処理出来ず治らない、との事。まず最初は、これに乗った。一月分で1万円強。早く直したい方はこれ、と言うのが3万円弱。安か無いけど、治るなら安いもん?(8月第二週に到着)

3)腰痛解消DVD。私のは腰痛ではない、と認識している。が、無関係ではない?DVD1枚で、一万五千円。高い!でも、効果がなければ返品可。これは上手いうたい文句ですね。(8月9日ころ到着)

4)痛み解消研究会というのがある。西洋医にかかっても、「痛み」は治らない。少なくとも、対症療法が主で、根本原因は必ずしも治らない(勿論、手術で治る事はある)。要は、筋肉痛の治療は西洋医には期待出来ないので、ツボの治療の一つとして、自分でも処置可能な、通気療法という方法を提案している。(8月10日到着)

5)この流れを汲んだ、「痛みの代替医療研究会」による「イオンパッチ療法」がある。(8月12日頃到着)

6)無痛ゆらし療法。テニス肘の際にお世話になりました。(8月15日)

4)、5)の考え方は、生理学的に(自分で確認はしていません)痛みは、筋肉の細胞内外のカリウムとナトリウムのイオンバランスの崩れが、「痛みとして神経に知覚される様な化学物質」を結果として産出するためだ、と言う物です。そのイオンバランスの調整をする手段が通気療法(痛み解消研究会)であり、イオンパッチ療法(代替え医療研究会)です。

 

さて、どうしたか?

1)に関しては、「医院にて」で書いた通り。

最初に入手して実行したのが

2)の漢方薬

顆粒と錠剤で比較的飲みやすい形態で頒布されている。

一緒に患者さんの感想文が沢山付いてきた。

それによると、平均で1年強の期間掛かっている。長い!そんなに治らない症状なの?1年以上掛かるようだと、自然治癒と区別付くのかな?と言うのが私の疑問でした。

でも、買った以上は実行あるのみ。約3週間、毎日朝夕、飲んできました。

効果?治癒に1年以上掛かるのに、3週間で何か分かる方がおかしい??と言えそうです。

まあ、ここに色々記録しますが、全てほぼ平行に実施してきているので、何が効果があって、何が効かなかったのか?はハッキリ言って不明です。はい。兎も角、記録は残しますが。

次に試みたのは、

5)「痛みの代替医療研究会」のイオンパッチ療法です。

これは、直径15mmのアルミ箔の真ん中に直径5mm程度の銅箔が貼ってあり、粘着材で皮膚に直接貼付ける様になっています。

イオン化傾向の異なる2種の金属が汗等を介して電気的に繋がりますので、イオン電流が流れるでしょう。それと、筋肉細胞の近辺のイオンバランス修復がどう結びつくかは詳しくは考えていません。

しかし、研究会で、通気療法を個人で適用しやすくする方法は無いか?の疑問を解決すべく考えだしたこのパッチを作り、整体医療院の患者さんに使ってもらったそうです。その効果はテキメンで、即座に効果が現れ、開発した先生が驚く程の効果を発揮したそうです。

8月中旬に、実際に使ってみた感想ですが、「本当に筋肉痛が消える」と思いました。ただ、長期間(数日間)貼りっぱなしにしたのですが、これは良く無かった。アルミ箔は解けて部分的に無くなり、10カ所位貼ったうちの1、2カ所では、皮膚に水泡が出来ました。剥がした後、数日で治りましたが。なので、半日か1日程度で剥がした方が良さそうです。

でも、痛みの解消に効果がある事は確認できました。

追記(2015.12.11):最近、足の脛の痺れや腰の違和感などを感じました。イオンパッチを思い出して引っ張り出しました。どちらも1日か2日後には気になら無くなって、やはり効くんだと感激です。

研究会による注意事項として、物理的な症状(靭帯損傷や骨折、怪我など)がある時には、その部分を、パッチ使用後直ぐに使ったりしない様に、との事です。

痛みは根本的なダメージを避けるために脳が出している警鐘なので、警鐘スイッチだけオフにすると機械的ダメージを深くする危険性がありますので、要注意。

機械的症状が治っても、脳が懲りて痛みの警鐘を消さない事があるので、その際にはスイッチを切る事には意味があるだろう、と言う考え方です。

イオンパッチ療法は、起床時に臀部の痛みが残るときや、下肢のしびれが気になる時にはその後も適宜活躍してもらいました。

6)無痛ゆらし療法院

テニス肘の際にお世話になり、気になっていました。

右下肢にしびれがあり、車の長時間運転でしびれが強くなる。

迷ったが、車で片道1時間弱かけて出かけてきた。歩くのはもっと辛いので。

無痛揺らし療法は、揺らしながら軽く筋を押さえて、脳に緊張を解く様に伝える手法のようです。

テニス肘の時の経験では、不思議な事に、力を入れた時の痛み具合(場所や痛み方)が、この療法で明確に変わるのです。

痛い時に自分でやってみても、効果がある、様に感じました。

そこで、今回も期待を込めて訪ねました。何せ、夜間、横になって寝られないのは頂けませんので。

しかし、座骨神経痛は経験のある人でないとその痛みがどのような時に出るのか、多分、分からないのでしょう。

又、人によって、同じ座骨神経痛でも様々なようです。

私の場合は、右足を後にそらせる事は禁じ手でした…。なのに、なのに…。

さんざん痛めつけられて帰ってきました。療法者の方には私の痛みのしくみが全く理解出来ていなかったのだと思います。

痛みの治療で、脳に「痛いよ!」と思わせては逆効果なのです。痛みが消える訳が無い。

結局、翌日も改善は無く、次回の予約はキャンセルしました。

3)腰痛体操DVD

腰痛等で検索すると、腰痛は自分で直せる!と謳ったサイトが良くあります。

見て行くと、延々と同じ事を繰り返しながら、最後に「DVD一万五千円」と出てくる奴です。

しかも、「効果がなければ何時でも返品受付」と謳っているではないか!実に上手い手口です。

DVDが到着後、2枚を見ました。延々と骨格模型を使ってどんな症状があるかを解説しています。まあ、だいたい聞いた様な内容です。

結局、エラくシンプルな体操です。腰に手を当てて、軽く膝を曲げて上体を右一杯に回転、正面に戻し、左一杯に回転。これを3回繰り返し、日に何回か、或は痛い時に、と言う物です。これで悪化する事は無いかな、とは思いました。日が経過すると大抵の場合は徐々に自己回復してきます。なので、効かないから返品!って、タイミングが掴めないですよね?その内、普通は治ってしまう場合が多いので、治れば忘れてくるし、面倒だし、もう良いや、となりました。

4)痛み解消研究会の奇経(通気)療法

鍼灸などのツボの数は数百もあるそうです。

鍼も灸も私の趣味じゃない!と感じる人は多そうです。私もそうです。

通気療法も発展途中で色々変化しているようです。

両足の、計4カ所のツボと、両手4カ所のツボの間を電線(両端にNとSの磁石が付いている)で1分間(自分だけでする場合は15分間)通気するのです。

その際に、通気の経由地点?を指定するかの様に、エレキバン(N、Sの区別がある)を痛みのある場所に貼っておきます。

且つ、背、臀部、大腿、下肢のエレキバンを貼った部分に、水平にそれぞれ6本のテープを貼っておきます。これも、気の流れに関係するのかしら?私には分かりません。

更に効果のある方法、と言う事で、現在は「置鍼」を推奨しています。始めてそのような物がある事を知りました。

小さな、数ミリ角のプラスチックに、0.2mmΦ、長さ1mm前後の消毒済みステン針が立ててあり、5mm角程度の絆創膏に貼られています。

これを、腰椎の凹み部分に2カ所、痛点に任意の数だけ貼ります。これで、エレキバンとテープ張りの役目を果たし、更に効果的、だそうです。

これは、一度貼れば暫くはそのまま貼ったままで良いそうです。場所によりますが、臀部等のやわらかい部分では全く存在を忘れます。臑なんかは刺さりますキット、足組むと、要注意。

無痛ゆらし療法も、もう行きたくないし、最後の手段、で、通気療法をカミさんに助けられながら続けてます。

少なくとも、通気療法後は悪くないです、はい。

 

効果?

ハッキリ言って、分かりません。

何故って、何もしなかった場合に、どの様な経過を辿るのか、私が知る由もありません。

基準が分からないのだから、効果も確定的な判断は出来ません。

ただ、言える事は、3週間経過後に背筋を伸ばして立てるようになりました。

歩ける様にもなりましたが、所謂「間欠跛行」と言う状況で、屋内の移動程度では不便を感じなくなったのですが、屋外を数百m歩くと、臀部痛と下肢しびれが激しくなり、休憩が必要になります。厄介です。

でも、布団に寝るのは左下にした横向きのみ、が耐えられる様になりました。でも、目覚めると鈍痛があり、そのまま寝ているのは辛いです。まどろみの時が寝てられないのは、何とも頂けません。

丁度、4週目に入った所で、家族旅行に行きました。宿で寝られるのか心配でしたが、偶然、その日から、数百m歩いても、耐えられない痛みが出なくなってきました。ラッキー!です。

新江ノ島水族館も訪れ、結構歩き回りました。何とか凌げました。私に取っては画期的でした。

腰痛患者(私のは腰痛ではない、と思ってますが)には、自転車は便利な道具であり得るようです。歩いたりするのは辛いけど、自転車なら平気で漕げるんです。私の場合も然り。

Doppelganger のミニ自転車を買いました。

ハンドルは折りたたみ式を装着、シマノの7段変速、前輪ディスクブレーキ。結構、気に入ってます。

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これに乗って、ラケットを背負って、終末に壁打ちトライ!

結構出来て幸せ。

翌日はテニスの復活日。

結構出来ました。感謝!

未だ、右下肢のしびれは残ってるが、通常の活動には支障が無くなってきた、とても幸せです!

ただ、発症の原因(ストレッチが切っ掛けだけど)が分からないので、再発の予防もどうすれば良いのやら、分からない所が心配ですが。